平凡な私の獣騎士団もふもふライフ2
「殿下、ここを歩いても平気ですか?」

一緒に、こんなにも人が多いところに出たのは初めてだ。

すると心配になってこっそり尋ねたリズに、ニコラスは「心配するな」と自信たっぷりの横顔で答えてくる。

「うむ。みな、リズが俺と交友を深めていると周知しているからな。調査だとはバレまい。こっちを歩いている時も、視線を感じたりしたぞ」

ニコラスは、幼獣を片腕に抱いて指を向けて教えてくれた。

「こんなにも人がいるところでも、不安を感じる時があったんですね」

リズは、それを少し不思議にも思っていた。目撃者もかなり多くなるから、あまり不振に思われるような強い殺気の視線など、恐れ多くも〝殿下〟に向けられない気がするのだ。

そう思っていると、エドモンドがこっそり教えてくる。

「可能性は少なからずありえますよ。ここは、王宮ですからね」

どこか意味深に言われた。けれどリズは、向こうの人の波から「グレイソン伯爵様のご婚約者様だわ」という声を拾ってタイミングを逃した。

――すっかり顔を知られてしまっている。

頭を押さえたリズを、カルロが心情を察した様子で見下ろす。

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