平凡な私の獣騎士団もふもふライフ2
蹴り飛ばされた男が、後ろにいた男たちと共に崩れ落ちる。

リズは呆気に取られた。凛々しい顔付きでキックを放った幼獣が、くるっと身軽な一回転まで易々とこなして、したっと地面に着地する。

「……お、おぉっ、すごいな!」

ニコラスの声に、リズはハッとした。

幼獣をパッと抱え持つと、ニコラスの手を取って人混みの中を走り出す。

「うわっ、いきなりなんだ?」

「失礼を承知で引っ張ってしまってすみません殿下! でも緊急事態なんですっ」

今になって、ようやく気付くなんてバカだ。リズは自分の頼りなさに悔しさを覚えながら、掴んだ彼の手を一層強く握る。

「狙われていたのは、この子(幼獣)じゃなくて殿下だったんですよ!」

はじめから、あの視線は幼獣ではなく、ニコラスに向けられていたものだったのだ。

そして彼を見ていたのは、他国ではなく内部の誰かだ。

先日、偶然にも隠し通路を見つけた時、その可能性に少しでも気づくべきだった。しかもそこを滑り落ちた先で、予想外にもジェドと鉢合わせてもいる。

――自分がここにいたことは、秘密で。

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