平凡な私の獣騎士団もふもふライフ2
リズの腹を抱えて地上から攫ったのは、カルロに騎獣したジェドだった。

その姿を目にした瞬間、リズは怖いものを何もかも忘れた。その大きな赤紫色(グレープガーネット)の目から一切の不安が消え、直前の強い緊張感がほぐれていく。

「だ、団長様!」

「おい、さすがに暴れるのは危険だぞ。なんだ、いきなり掻っ攫うなだとか、怒らないのか?」

そのまま引き上げられたリズは、直後、ジェドへ抱きついていた。

悠々としていたジェドが、ピキリと固まる。同じく相棒獣に騎獣して空にいた獣騎士たちも、目を丸くした。

「怒ったりしませんよ! 怒ったりなんか、しません」

来てくれたのが嬉しかった。こうして助けてくれたのが、ジェドだったのが、リズはとても安心するくらいに嬉しく感じてしまったのだ。

それを王都の人たちは、パレードの演出だと思ったらしい。歓声以外にも祝福の声まで飛び交い始め、唐突な獣騎士団の飛行に湧いた。

その注目を一気に集め、自分の前に幼獣を抱っこしたニコラスを座らせたコーマックが、腹をくくったようにぎこちない笑顔で応えた。彼に目配せされた他の獣騎士たちも付き合い、急きょ飛行を披露し始める。
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