平凡な私の獣騎士団もふもふライフ2
リズは言いながら、スカートの留め金を外してするりと抜き取る。シャツ一枚でカルロの前を通過し、てきぱきと着替えの服を準備した。

「一緒にお風呂入りたいの? すごく広いから一緒でも大丈――ぶっ」

なぜか、顔面にもふもふの尻尾を寄越されて、台詞を遮られてしまった。

こんなにも贅沢な浴室を使える機会なんて、もうないだろう。実のところ、今回の宿泊で一番気に入っていたリズは、ジェドがいないのをいいことに堪能した。

「はぁ、極楽だわ……。カルロも一緒に入ればいいのに」

湯に浸かったところで、リズは開きっぱなしの扉の向こうに声をかけた。

すると、休みもせずに、なぜか入り口の前で〝お座り〟しているカルロが、肩越しにじとりと目を向けてきた。

白獣は、基本的に水浴びはあまり好まない。

恐らくは、じっとお湯に浸かっているだなんて考えられなことなのだろう。そう推測したリズは、既に用意されていた浴室の心地に浸った。

――執事サムソンが、最後の仕事で入室してきてテーブルに水などを用意した。そして座っているカルロの視線に丁寧に応え、静かに退出していく。

再び、室内は一人と一頭が遺された。

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