平凡な私の獣騎士団もふもふライフ2
ジェドは全く気にした素振りも見せず、濡れたタオルを一度ボールに入った水につけ直す。それから、もう一度リズの膝から下全体を拭った。

「……って、何を普通に続けているんですか!」

持っていたスカートを、足の下へと戻されてリズは気づく。

しばらく続けていた作業を終了したジェドは、疑問の表情だった。ボールへタオルを引っかけつつ、尋ねてくる。

「熱を持ったままだとつらいからだ。緊張で強張っていたせいだろうな」

「そ、そうじゃなくって、それくらい私も自分でできます。それなのに、団長様やりすぎですっ。深い仲だと勘違いされちゃったじゃないですか!」

使用人たちが想像していた関係を思うと、顔が熱くなる。普段から彼に、足を触れられているくらいの仲だと思われたに違いない。

「何か困ることでも?」

片膝をついたまま、顔を覗き込まれて問われる。

じっと青い瞳で見つめられて、リズはなんだか緊張を覚えてしまう。怒っているでもなく、意地悪な雰囲気でもないに落ち着かない。

「私はただの恋人役なんですよ。本当に婚約者になる人だって思われたら、へたすると、あとで団長様の婚姻活動に支障が出ちゃうかもしれませんし」

ややジェドの顔から離れるようにして答える。

自分は、ただの平凡な庶民の娘だ。ジェドは爵位も引き継いだ領主で、獣騎士団長で、リズと違って結婚を望まれている二十八歳だ。

「婚姻……俺が、他の誰かと結婚する、と?」
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