平凡な私の獣騎士団もふもふライフ2
あっ、彼らがいるのを知っていて、わざとそうしたのね!?

恐らくは、今後の調査のため、恋人同士であることを疑われないようにと考えたのだろう。

でも、勘弁して欲しい。本当に心臓が持たない。

リズは俯くと、熱を持った頬に手をあてた。いい笑顔を作って、悠々と使用人に対応しているジェドは、策略家のドSな鬼上司だと思った。

「でも、もう少しだけ、戻ってくるのが遅くても良かったんだがな」

――そんな中、ジェドは作り笑いで少し本音を交えた。



多くの者に、未来の婚約者であると認識させることはできた。

それが、パーティーに顔を出した目的の一つだった。いちおうは達成したとして、そのまま退出することになった。

使用人たちに見送られ、ジェドに連れられてリズは休憩部屋をあとにした。

会場に人が集中していることもあって、外に面した会場裏の通路は静かだ。

「カルロ」

廊下を歩き出して、そっとジェドが言葉を投げる。すると、どこからか草を踏む音を上げて、カルロが白い巨体を躍らせて廊下へ飛び込んできた。

カルロは、リズとは反対側のジェドの隣に並ぶ。歩みを合わせた彼が頭を少し下げると、ジェドが手を伸ばしてその大きな頭を撫でた。

「――ふっ、いい子だ。しっかり見てきたな」

ジェドが褒める。当然だとでも答えるかのように、カルロが頭を起こすと、偉そうな表情で「ふんっ」と鼻を鳴らした。
< 91 / 310 >

この作品をシェア

pagetop