溺愛確定 冷徹御曹司とのお見合い事情
「もしかして昨日食べていないのか?」
吉池さんに言われて今度はこちらがハッとさせられた。
「マイ箸は持参してきたのですが」
と答えたけど、吉池さんの質問の答えではない。
「疲れちゃって」
今度はきちんと答えたのに、吉池さんの表情は冴えない。
「すまなかった」
と謝られた。
「どうして謝るんですか?」
「家での勝手が分からないのにひとりで何もかもやるのは大変だっただろう。その上、気を使って掃除や乾燥機まで回して、朝食の準備までして」
そこまで言うと吉池さんは眉根を寄せて、私を見下ろし、続けた。
「タオルもアメニティも使わなかったよな?自由に使ってくれてよかったのに。使いにくかったか?」
「いえ。そういうわけでは」
食い気味に言う。
「すみません。私こそ変に遠慮しちゃって。そんな風に思うとは考えてなくて。これからはもう少し気兼ねせずに振舞います」
決意表明するかのようにはっきり宣言すれば吉池さんはそのまま閉口した。
「でも、よく分かりましたね」
「なにが?」
焼きおにぎりを乗せるお皿を食器棚から探しながら疑問を口にする。
「アメニティー使わなかったこと。どうして分かったんですか?」
「簡単だ」