飼い犬は猛犬でした。



「きゃあぁっ!!」
 


 そんなことを考えていたら、背後から女子の歓声が聞こえてきた。おそらく1人のものじゃない……沢山の女の子の。


「……? なんだろう……」
「気になるわね……見に行ってみましょう!」

 イオに腕を引かれ、わたしは歓声のする方へと向かった。



 歓声の出処は探さなくても一目瞭然。女の子の群れ? 大群が目に入る。



 な、なにこの密度……



「えっ……もしかして!」



 イオは何かを思い出したかのように声を上げると、人混みの中へ消えていった。


 イオ?! もう、何なのよ一体……


 わたしも興味本位から人混みの中に入っていく。ぎゅうぎゅうに集まった女の子たちを掻き分け、その中心へと向かう。



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