猫に捕まったら離れられない!!
「飲んでみて。私のオススメなの」

猫間さんに見つめられながら僕はブラッディー・メアリーを口に含む。アルコール度数の高いお酒であるウォッカが入っているだけあって、飲んですぐに体が熱くなっていくのがわかった。でも、おいしい。

「ブラッディー・メアリーなんて初めて飲みました。おいしいですね」

僕がそう答えると、猫間さんは「本当?嬉しいわ」と微笑む。次の瞬間、僕はスーツの襟を掴まれ猫間さんに顔を近づけられていた。そして、カクテルで熱くなった唇が重なり合う。

「んっ……」

「んんっ……」

バーで会うだけの関係だというのに、不思議とキスが嫌ではなかった。それはきっと僕は猫間さんに心を乱されているからだと思う。何度もキスをされ、どちらからともなく口をこじ開けて舌を絡め合う。どれだけ息が苦しくなっても、唇はなかなか離れない。

「……ねえ、大人の時間をもう少し楽しみましょ?」

唇がようやく離れた後、僕は猫間さんにそう言われる。そして僕は何も考えずに頷いていた。
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