勝手に決められた許婚なのに、なぜか溺愛されています。
「千里と婚約したんだろ?」




ど、どうしてそんなこと、知ってるんだろう?




「婚約者、なんでしょ、千里の」




「あのっ」




「顔、真っ赤だよ。大丈夫?」




「は、はいっ」




だって、『九条彩梅』なんて言われたら、



一気に沸点を超えちゃうよ!




「千里から、頼まれたんだよ。



千里が戻るまで一緒にいてやってくれって」




その一言で、派手な姿のそのひとに、そろそろと顔を向ける。




「……九条さん、から?」




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