勝手に決められた許婚なのに、なぜか溺愛されています。
「早く彼氏つくって、ちゃんとした恋愛しろって、



いつも怒られてます……」




「へえ、バカなやつ」




……ばか?




九条さんのお友達も、



九条さんに負けず劣らず口が悪いような……




「俺さ、初等科の頃から千里と一緒にいるけど、



あいつが特定の女にこだわるのを初めて見た。



それなりに、千里にとって特別な存在なんじゃない?」




「そうだと、いいんですけど」




愛犬的という意味では、特別なのかもしれない。




「で、千里のどこが好きなの? 



自分より年上だから? 



見た目がいいから? 



それとも家柄が見合ってるから?」




畳みかけるように尋ねられて、言葉につまる。




九条さんの、どこが好きか……?




しばらく考えて、言葉を紡ぐ。



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