勝手に決められた許婚なのに、なぜか溺愛されています。
ふたりでキッチンに並んで、
夜ご飯の準備を始めたものの、
うろうろしている私の隣で九条さんが
てきぱきと野菜を刻んでいく。
すごい……
慣れた手つきでフライパンを扱い、
調味料を加えていく九条さんをじっと見つめる。
「あの……」
「あ、彩梅、辛いの大丈夫だったよな?」
「は、はい」
「もうすぐできるから、彩梅は座ってていいよ」
ダイニングチェアに座って、
手際よく夕飯を仕上げていく九条さんをじーっと観察。
うん、カッコいい。お料理ができる男の人って、すごい。
……でもね。
「あの、これ、九条さんの花嫁修業みたいになってませんか?」
「ん、俺もちょっとそう思った」
ううっ。
お料理、本気で頑張ろう。
これじゃ、花嫁修業にならない。
むしろ、ただのお荷物!
「九条さん、苦手なことってあるんですか?」
「あるよ。たとえば……」
無言になった九条さん。
あ、ちょっと九条さんの心のなかが読めたかも。
「うちのお父さん、……とか?」
「それ、答えにくいから、やめろ」
ふたりで顔を見合わせて、吹き出した。
夜ご飯の準備を始めたものの、
うろうろしている私の隣で九条さんが
てきぱきと野菜を刻んでいく。
すごい……
慣れた手つきでフライパンを扱い、
調味料を加えていく九条さんをじっと見つめる。
「あの……」
「あ、彩梅、辛いの大丈夫だったよな?」
「は、はい」
「もうすぐできるから、彩梅は座ってていいよ」
ダイニングチェアに座って、
手際よく夕飯を仕上げていく九条さんをじーっと観察。
うん、カッコいい。お料理ができる男の人って、すごい。
……でもね。
「あの、これ、九条さんの花嫁修業みたいになってませんか?」
「ん、俺もちょっとそう思った」
ううっ。
お料理、本気で頑張ろう。
これじゃ、花嫁修業にならない。
むしろ、ただのお荷物!
「九条さん、苦手なことってあるんですか?」
「あるよ。たとえば……」
無言になった九条さん。
あ、ちょっと九条さんの心のなかが読めたかも。
「うちのお父さん、……とか?」
「それ、答えにくいから、やめろ」
ふたりで顔を見合わせて、吹き出した。