拝啓 突然ですが大好きです!つきましては私と交際をして頂きたくこの文書を送付させて頂きま(以下省略)
莉真ちゃんが注文の準備をしていると、柊平くんがその間に「水萌ちゃんさー」と話しかけてきた。
「今日那月に瞬殺されてたけど、これからもがんばるの?那月のこと」
「そりゃー…」
がんばる!!と即答したいところだけど、朝比奈くんに「俺の気持ち全然考えてない」と言われたとき、確かに…と思い当たるところがあったのも事実で。
私は朝比奈くんと絶対付き合いたいけど困らせたいわけじゃないんだ。
思わず黙ってしまった私に、「水萌ちゃんなら俺、那月の氷の心も溶かせる気がするのになー」とヘラヘラしながら言う柊平くん。
「氷の心?」
「こいつ極度の女嫌いなんだよねー」
おいっ!と朝比奈くんが柊平くんを睨みつけるけど、それに構わず続ける柊平くん。
「昔から女にモテすぎて、ストーカーされたり盗撮されたり勝手に女の修羅場に巻き込まれたり…ただでさえ女にいいイメージなかったのに、
あげくの果てには中学の時、親友の彼女がコイツのこと好きになっちゃって、親友に絶交宣言されたのをキッカケに女嫌いが決定的なものにー♪」
「…なんでちょっと楽しそうなんだよ」
当時のことを思い出したのか、朝比奈くんが眉間に深いしわを刻んだ。