メレンゲが焼きマシュマロになるまで。
杏花が別室に行くと、玲央は黒地に色々な色・種類のファスナーが縫い付けられたTシャツにロイヤルブルーのパーカーを羽織り、マグカップを持って何をするわけでもなくうろついている。

「お前、シャワー浴びて寝れば?あいつが着替えてきたら勝手に帰るから。」

「キョウにギャラ渡さないとだからね。レミの撮影の分も合わせて。元々レミの撮影は別日の予定だったんだ。でも昨日俺の撮影終わってからこのまま撮りたいって言い出してさ。レミって言い出したら聞かないじゃん?」

「・・・ああ、そうだな。」

「それで急遽服飾の仕事してる友達呼び出して衣装をキョウのサイズに作り直して、キョウのイメージに合うようにアレンジもしてもらってとか諸々(もろもろ)準備があったから徹夜で撮影になっちゃったんだ。まぁ、元々俺ら最近超忙しいから車で家帰るのもメンドーでここで寝泊まりしてるんだけどね。でも、頑張った甲斐あっていい写真撮れたでしょ?ハルが勘違いしちゃうくらいに。ちょっと、いや、だいぶ面白くて目が覚めちゃったよ~。」

「だから、違うって言ってるだろ!?てか、あいつにあんな服着せるなよ。」

白くて背もたれ部分が高いチェアに座りパソコンをいじり出した玲央の背中にかけた言葉は噛みつくようなもので、自分でも驚いた。玲央が振り返る。

「いや、着せたのレミだし。私服と違う雰囲気で大人な魅力が出てかなりいいじゃん。何が駄目なわけ?」

「いや、だから、やたら肌出てたし・・・。」

「ははっ、なに?ハル、勘違いして俺に嫉妬したとかじゃなくキョウの保護者なわけ?ステージパパ的な!?」

「や、俺はその・・・。」

「レミのアクセは胸元開いてる方が綺麗に見えるんだよ。キョウは肌すべすべできめ細かいからアップにも耐えるし、めっちゃ最高のキャンバスになった。」

玲央は宙を撫でるように手を動かした。

「すべすべって!?お前、まさか触っ・・・!?」
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