フラれ女子と秘密の王子さまの恋愛契約

「さくら!!」

すぐにレイが私を庇うように覆い被さり、その外では揉み合うような怒号と悲鳴が聞こえた。

『放せ!あの女を殺さねば、私の父のような不幸が増える。ますます死者が増えるんだ!!』

悲痛な叫びのドイツ語は、皮肉にも私にもわかってしまった。

ミレイ王女がどんな立場がいるか……ということに。

「レイ王子、もう大丈夫ですよ!」

小椋さんが安全を確認してそう請け負うと、ようやくレイは私を解放する。けど、やっぱりホッとしたと同時に、腕を擦った傷がとても痛みだした。

「さくら!今、病院に連れていってやる」

レイが私をお姫さま抱っこしてくれたけど、今は恥ずかしいとか気にしてる余裕はない。
ただ、ミレイ王女は大丈夫かと気にして見ると。やはりマリアさんが駆けつけて、無事か確認してたけど。

さしもの王女様も、実際に銃撃されてショックなのか茫然自失状態に見えた。

「王子、受けいれ先はいつもの病院がいいですよね?」
「当たり前だ。あの人以外は信用できない」

やがて、パトカーや救急車等の緊急車両がやって来たけど。小椋さんが運転する車はそれとすれ違い、向かった先は見覚えのある光景。

ベリーヒルズの総合病院だった。



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