フラれ女子と秘密の王子さまの恋愛契約

「さて、早速見せてもらえますかな。シャツを脱いでください」

「あ、はい」

真宮さんの背中の患部を診せるには、当然彼が服を脱がなくてはいけないわけで……
とはいえ、かぶり物のプルオーバーを着る時より脱ぐ時の方が苦労をするのは言うまでもない。

「真宮さん、脱ぐのを手伝います。万歳できますか?」
「……自分でできる」

私が手伝うのが恥ずかしいのか、彼は素っ気なかったけど。両手を上げてシャツを持ち上げるだけで患部が痛むのか、動きがぎこちない。

そりゃそうだ。下の筋肉に合わせて皮膚が動くと患部も刺激されるから、当然痛みが生じる。
火傷の痛みは患部が小さくてもバカにできないものだ。
こればかりは経験者でないとわからない。
私も脚の火傷は10センチくらいだったから、ひどい痛みで眠れなかったもの。

だから、もたついてる真宮さんに痺れを切らして強引に手伝っても仕方ないと思う。

「はい、両手を上げてください。ばんざーい!」

彼の両手を持ち上げて強引に上げると、シャツを捲り上げて頭から素早く脱がせた。

「…………」

真宮さんが無言で冷たい視線を送ってきて、怒ったことがわかったけど。

今は治療が最優先だから、怖くなんかないですよ~!なんて、不思議なことに強気でいられた。

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