フラれ女子と秘密の王子さまの恋愛契約
「大抵の女は気味悪がったり、何があったか問い詰めようとする。その筋と誤解され逃げていった女もいた」
自嘲するように、投げやりな口調で真宮さんがそう言いはなった。
でも、私は違うと伝えたくて必死に首を振った。
「したくて、わざとケガをする人はいません!……あなたが一生懸命生きてきた証じゃないですか。怖いなんてちっとも思いません!」
頭がよくないから、必死に少ない語彙と勇気をかき集め、懸命に真宮さんに伝えた。
「外見の些細な違いで逃げるような人は……結局それだけの人です。わ、私もそれで傷ついてきたから…………わかるんです」
小学校であったひどいいじめは、私がケガをしたことがきっかけで起こった。
顔をぶちひどく頬を腫らした私に、男の子が“おたふくみて~”と笑ったのが始まりで。 おたふくのふく子というあだ名がついて、クラスメイトの誰も私の名前を呼ばなくなった。
それからだった。無視をされたり仲間ハズレにされたり、物を取られたり隠されたり。
下駄箱や机の中に虫を詰められたり……
私が抵抗も言い返しもせずに、ただ泣いていたことがよくなかったんだと思う。
だんだんエスカレートしていって、遂にケガをしそうになった時。それまで黙っていた香澄が遂に私を庇ってくれて。
“いい加減にしなよ!先生に言いつけるからね”と怒鳴った彼女の迫力はすごかったな。
そして、香澄とはそれ以来ずっとずっと大切な友達。彼女のお陰でどれだけ救われただろう。
真宮さんにも、できたらそんな人がいたらいい……と。なぜか痛む胸を押さえながら思った。