フラれ女子と秘密の王子さまの恋愛契約
そうだ。
真宮さんが香澄を認めてくれたなら、私もなにか言わなきゃ。彼の励ましになる言葉を。
なんとか彼の腕から抜け出そうとするけど、なぜかがっちりと抱きしめられて無理だった。
諦めてため息をついた私は、彼の腕の中で冷静になろうと努めながら口を開いた。
「あの……真宮さん。あなたにもきっと大切なひとはできますよ。今は出会ってなくても、きっといつかは」
無責任な言葉かもしれないけど、私なりの精一杯。人生はどうなるかなんて、誰にもわからない。
私だって大学生の頃は、卒業したら普通に就職し恋愛して結婚して……ってイメージを持ってたけど。現実はまともな恋愛すら難しくて……。
でも、私には家族がいるし親友の香澄がいる。それだけでも恵まれてると思う。
そう思いながら、言葉を継ぎ足した。
「本当の幸せって、派手にお金を使うことじゃなくて……心を通わせる人がいるか、だと思います。たとえ一人でも解りあえる人がいれば、それだけで幸福なんじゃないかって……」
ですから、真宮さんはもう幸せなのかもしれませんね、と言うと。
「ああ、そうだな」と、呟いた。
そしてーー
なぜか、私の首に顔を近づけて。
気がついたら、軽い痛みが首筋に走った。
「もう、出会ってるかもしれないな」