フラれ女子と秘密の王子さまの恋愛契約


「知らないわよ!」

マリアという人の指摘に王女様は不貞腐れたのか、 プイッとそっぽを向いた……子どもですか。

マリアさんはあからさまにため息をついて、こめかみに指を当てる。この王女様なら苦労も多そうだ、って内心同情した。

「お見苦しいところをお見せしてしまいました」
「いえ……」
「ですが、当事者である貴女にもお知らせすべき事柄ですから。これから話す内容は内密に願います」

マリアさんが真っ直ぐに、射抜くような眼差しを向けてきた。
ラウンジに入るとき身体検査をされ、スマホは没収された。それはこういう意味だったんだ。きっと通話や録音を警戒したんだろう。
私だってペラペラ喋るつもりはない。

「はい」

私が頷いたのを確認したマリアさんは、話を続けた。

「結構です。では……確認させていただきますが、貴女はこのベリーヒルズのレジデンスにあるマンションに住まわれてらっしゃいますね?」
「……はい」

嘘をついても仕方ない。その場しのぎをしても、バカな私だと絶対綻びが出る。なら、正直に答えた方がいい。

「では、そこで男性……アスフォーコミニュティの社長と住まわれてますね?」
「…………」

これは、自分から明かして良いのかどうかわからない。
真宮さんが親友には明かしていいって言ったし、自分の会社や取引先には広めつつあるらしいけども。



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