フラれ女子と秘密の王子さまの恋愛契約
「僭越ながら、王女殿下へお訊きいたします。あなたは……真宮さん……レイ王子をお好きですか?」
「そんなの、当たり前じゃない!」
ツン、とそっぽを向いた王女様は、何を当たり前なことを、とでも言いたげだ。
「嫌いなら、レイ王子様の婚約者などになるはずないでしょう」
「なら、レイ王子が王子だからお好きなのですか?」
「……何が言いたいの?」
さすがに質問の意図を掴みかねたのか、王女様はこちらを睨み付けてきた。
「……私は、真宮さんが社長だとか王子だから、一緒に居るのではありません。たとえ彼が貧乏でも、何の身分がなくても……一緒にいたいと思うんです。彼だから……私は、惹かれました。真宮さんが何者でも、私は構いません」
親に挨拶しに行った時に同じ様なことを言った記憶はあるけど、今度は話していても意味が全く違った。
真宮さんと触れあえたこの数日で、彼と少しずつ理解できた様な気がする。
彼の、照れた顔……不敵な笑み。からかう意地悪な、楽しげな様子……
あの、広い腕の中にとらわれた時。
ずっと、その中に居たいと思ってしまってた。
「真宮さんが王子でも、彼がその立場を望まないなら、今まで通りに暮らしたい。たとえ、ぼろアパートでも構いません。私は、彼だけが……彼さえいればいいんです」