フラれ女子と秘密の王子さまの恋愛契約
「なるほど……あなたのお気持ちはよくわかりました」
マリアさんは深く頷くと、王女様にこう告げた。
「ミレイ様、ここは一旦引きましょう」
「マリア!何を言ってるの!?」
「このような不意打ちを異国の一般市民に強いる権利は、あなた様にございませんので」
きっぱり言い切ったマリアさんは、喚く王女様を軽くいなしながら私へ顔を向ける。
「後は、カールにお聞きください」
「カール……?」
まったく聞き慣れない名前に首を捻っていると、 マリアさんは苦笑いを浮かべた。
「カール・フォン・オーベン。日本では小掠と名乗ってますね」
「小椋さんが!?」
「はい。もとはオーベン公爵家の嫡男でしたが、生母の身分が低いからとわたくしを公爵家の継承者にして日本へ向かった、変り者の従兄弟ですからね」
「…………」
貴族…………小椋さんでさえ、そうだったなんて。
「その……小椋さ……カールさんは、いつから真宮さんと?」
「わたくしが知る限りは、レイ王子のご誕生からではないでしょうか?カールの母がレイ王子の乳母(ナニイ)に選定されておりましたので」
そして、小椋さんが実はもう30過ぎてたという衝撃の事実を知りましたよ……。