フラれ女子と秘密の王子さまの恋愛契約
「えっ……たった5歳で?」
「独り言で~す。質問はスルーします!」
驚いて小椋さんを見ると、彼はこちらを見ずにやたら大きな声で私の疑問をばっさり封じた。
……のだけど。
「ずいぶんデカイ声の独り言だな」
あきれ顔の真宮さんが診察室から出てくると、小椋さんは自分の頭をぺちんと叩いた。
「てへっ!聞こえちゃいましたか~」
「当たり前だ。10m先でも丸聞こえだ」
「でも、ちゃんと周囲は人払いしてますよ!あと、盗聴なんかの心配はいりません!きちんとチェック済みですから!」
「いちいち大きな声で怒鳴らなくても聞こえてる」
小椋さんと真宮さんの会話は、ほんと聞いていて飽きない。長年一緒にいるから、気心が知れた同士特有の空気があった。
(なんだか……小椋さんがうらやましいな)
そんなことを考えて、ハッとしてしまった。
(バカ……!なにを考えているの?男性にまで嫉妬って……私)
自分が居たたまれなくて俯いていると、なぜか小椋さんの楽しげな声が聞こえた。
「じゃあ、後はお二人で。社長、お先で~す!」
またも敬礼した小椋さんは、あそうそう!と付け加える。
「本日の降水確率は90%。最低気温は3度でよく晴れた放射冷却が強い日です……
社長、例の場所はしっかり予約済みですから安心してくださいね!ちなみに、今日はクリスマスイヴです。
お二人はよいクリスマスを」