フラれ女子と秘密の王子さまの恋愛契約
「ま、真宮さん!わ……私にはとても手が出ませんよ」
プレタポルテのスーツでさえ、1着最低30万円。
私の月収が吹き飛んでしまう……。
「いい。オレの都合だから、アンタは黙ってマネキンになってろ」
マネキンて……。
真宮さんの相変わらずな唯我独尊ぶりに呆れていると、彼はニヤリと笑う。
「背中が痛い気がする。オレの気のせいか?」
グッ、と言葉に詰まった。
つまり、火傷の責任を取れと暗に言ってるようなもの。
(気にするなって態度だったくせに……ずるい)
悔しいけど、こうなったら従うしかない。真宮さんが店員にリクエストをして、あれこれ持ってきたのはカクテルドレス。
もちろん、プレタポルテだから質もデザインもお値段も一級品。
あわあわとしているうちにファッションショーのように何度か着替えさせられ、結局決まったのは淡いピンク色のベルベット素材のカクテルドレス。それに白いシフォン生地のシャイニーストール。靴も合わせたパンプスとバッグにアクセリーまで。
総額いくらになるか想像するだけで恐ろしく、体が震える。
そして、意外だったのが真宮さんまで着替えてたこと。
ビジネスらしいスーツから、ウール素材のテーラードジャケットへ。遊び心のあるシャツとスラックスパンツを組み合わせて、いっそうかっこよく見えた。