フラれ女子と秘密の王子さまの恋愛契約
(か……カッコいい)
真宮さんは黒のイメージがあるから、すごく似合ってる。どぎまぎしているうちに、支払いを済ませたらしい彼にエレベーターに放り込まれた。
そして、向かった先は見覚えのある光景の、高級レストラン。しかも……窓際の、あの時と同じ席には。まったく一緒の顔ぶれ。
「あ、さくら。お~い!」
ワンピース姿の香澄が元気よく手を振ってる。
あまりに予想外の出来心に固まっていると、真宮さんは耳元に顔を近づけ囁いた。
「アイツらは、喋る人形とでも思ってろ。無理なら喋らなくていい。オレに任せておけ」
そう伝えてきた彼が私の左手を取ると、冷たく硬い感触がして体が震える。
「えっ……」
何かと思って視線を向けると、左手の薬指には不思議な色の宝石をあしらった、綺麗なデザインの指輪がはめられてた。
「ま、真宮さん……これ」
「プロポーズしたなら、当然だろう?いいからつけておけ」
プロポーズって……実際結婚する訳じゃないのに。いつの間にか私の指のサイズにぴったりな、こんな高価な指輪を作ってどうするの!?
まさか、サイズを直して次に使う訳にもいかないだろうし。真宮さんは一体なにを考えているんだろう。
彼の行動は理解不能なことばかりで、ついていけないよ。