フラれ女子と秘密の王子さまの恋愛契約

ビルディングのエレベーターに乗った時に赤いドレスの女性と居合わせたけど、それを見てミレイ王女を思い出した。

クリスマスイヴ以来、あの王女様からのコンタクトは一切なかった。

一般的なニュースでは一切触れられては居なかったけど、 匿名の掲示板では噂になってたみたいだ。

たぶん、マスコミに報道制限がかけられたお忍びでの来日…………のはずだけど。
私の会社であれだけ騒ぎ立て、あまつさえ自分がグレース王国王女と明かしてたし……。

あの場にいた人たちには会社から箝口令が出ているはず。だけど、人の口に戸は立てられない。話したくて仕方ない人は、匿名のSNSなんかで暴露してるに違いない。

(このまま帰国してくれたら助かるけど……)

そんなことを考えてしまい、ハッと我に返って自分が恥ずかしくなった。

(やだ……私ったら。王女様を邪魔と思うなんて……なんて身勝手だろ)

でも、と思い出す。

さらさらの輝くプラチナブロンドに、上質な翡翠のような透明感あるグリーンの瞳。しみ一つないなめらかな白い肌。女性の理想を集めた顔立ちに、女性らしい体つき。
身に付けたものも何もかもゴージャスで迫力のある、正真正銘の美女だった。

しかも、王女殿下という極上の身分と血筋。
あんな美人を前にして、真宮さんは何とも思わなかったのかな?

普通、あれほどレベルの高い魅惑的な女性に誘惑されたら、男性なら喜んでお相手したいと思うはず。ましてや婚約者なら……なおさらに。
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