フラれ女子と秘密の王子さまの恋愛契約
エレベーターが停まった瞬間、何も考えずに飛び出した。
「あっ……」
慣れない高いヒールのパンプスでよろけて、近くの柱にしがみつく。暖房が効いてるのにひんやり冷たいそこは、少しだけ私を落ち着かせた。
大きく息を吐き顔を上げた私の視界に飛び込んできたのは ーーまるで、宝石箱をひっくり返したような、一面の夜景。
自然にそちらへ足が向かうと、そういえば57Fには展望台があったんだ……と思い出した。
ベリーヒルズビレッジのオフィスビル33Fに、私たちが働くベリークリスタル企画のオフィスがある。憧れていた会社に入れたのは本当にラッキーだったし、そこで和彦と出会えたのも幸せだった。
営業一課の期待のエース。地味で目立たずドジな私のフォローを、香澄と一緒にしてくれて……
忘年会で酔いすぎた私を介抱し家に送ってくれた時に…優しくしてくれた。
コンプレックスだらけだった私に、初めて“さくらはかわいいよ”と言ってくれて。
その時の私はすでに彼に惹かれてたから、当たり前みたいに和彦を受け入れた。
それが始まりで……
彼からの連絡や訪問を待つ毎日が始まったんだ。