長い梅雨が明けた日

「気分悪いの?」

「そんなんじゃねぇよ」

「じゃあな、優弥、トヨ」

複数の男子の声がして顔を上げると、優弥の隣りに豊永がいた。

優弥と同じサッカーの豊永。
私達の後から来たサッカー部員に声をかけられて「またな」と優弥と二人で部員を見送る姿が見えた。


「それで?なんでこんなとこで理乃ちゃんが河野に抱きついてんの?」

「さあな。理乃、さっさと帰るぞ」

優弥が背を向けて歩き出したのを見て慌てて追いかける。

「優弥、待って」

背中に皺がついたシャツを再び掴んでそのまま優弥の後ろを歩いた。


「…何だったの?」

「その話をするとまた白井が騒いで帰れなくなるから気にするな」

私の後ろで豊永と河野が話してる声が聞こえた。

色々と言いたいことはあるけど、また自分で話題を元に戻したくなくて、大人しく俯いたまま優弥の後を歩いた。

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