きみは微糖の毒を吐く
「絢斗くん、もう行ったよ……?」
「んー」
もう一度、唇を重ねる絢斗くん。
今度は唇をぺろっと舐められて、ぱっと顔が離れる。
「顔赤すぎ」
ふっと意地悪に笑う絢斗くん。
顔から火が出そうなくらい熱い。
ずるい、絢斗くんばっかりいつも余裕で。
……この顔、紗英さんにも見せたんでしょ。それってなんか、すごく嫌だ。
「さっきまで照れてたくせに今度はなんで拗ねてんの」
「……このキス、紗英さんにもしたのかなって」
「ふーん、嫉妬?」
にやりと笑う絢斗くん。
そのまま私の手を引いて、人気のない階段に連れていかれる。
みんなエレベーターを使っているから、階段は誰も通らない。