きみは微糖の毒を吐く


「消毒していーよ」



壁際に追い詰められて、逃げられない状態で。絢斗くんは意地悪に私を見下ろす。




「消毒、って」

「紗英のこと忘れるくらい、上書きすれば?」

「っ……」



恥ずかしい。そんなことできない。

……いつもだったら。




だけど今日は、絢斗くんが選んでくれた可愛いワンピースを着てる。

絢斗くんの彼女として、並んで歩いてる。


それだけでいつもより大胆になれてしまうんだから不思議だ。



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