1日だけの恋~10月25日夜完結~
「棚橋真理亜です」
綿貫さんに習って名前をいいペコリと頭を下げ握手に応じた。
ニッコリ笑った綿貫さん。
今日は思いもかけない1日なったな。
出会いから、手を握られたりハグされたり、恋人のふりまで頼まれて。
「綿貫さん、他に恋人のフリを頼める人はいないんですか?沢山いそうですけど…」
気になること聞きたいことは山ほどある。
「ははっ、僕モテそう?」
高級車を乗り回し、週末は一流ホテルのスイートルームへ泊まっている。雑誌に載るようなセレブなハーフ顔の男。
絵に描いたようなモテ男だ。
「はい。とても」
綿貫さんは、明るく笑った。白い歯が素敵だった。
「あははっ、きみは可愛いね、素直で……」
「可愛いですか?私」
もう一度、綿貫さんの口から聞いてみたい言葉だ。
イケメンから『可愛い』なんて言われたら、相手が遊びのつもりでいるのだとしても、嬉しくなってしまう。
「可愛いよ、少なくても僕の周りにいる女性のなかで一番可愛いかもなぁ」
嘘。
そんなわけない。
だが、遊び人は、軽くこんな嘘もつけるものなのだ。
このままだと、本当に簡単にお持ち帰りされそうな流れだ。
でも、嘘でも彼から嬉しい言葉が聞けたことで胸がいっぱいだ。
「あーー、嘘でも嬉しいです。そんな風にいわれたことないんで、やっぱり、嬉しいんです」
素直な感想だ。
綿貫さんが遊びのつもりであっても、お持ち帰りしたいだけで本音はそう思ってなくてもいい。