1日だけの恋~10月25日夜完結~
「本当の恋人になりたい?
そうだな。
もちろん……かまわないよ」
綿貫さんの手が、私の肩に置かれ、そっと後頭部の方へ移動し始める。
「たった今から
きみは……僕の恋人だ……」
顔が近づいてきて綿貫さんの瞳が私を甘く見つめる。
何人の女性をこうやって口説いてきたのだろう。
綿貫さんの本当の恋人になれるはずがない。
口先だけの約束だ。
一晩遊ばれて、それで朝には
さよならだ。
わかっている。
それでも……。
私の額に自分の額をつけた綿貫さん。
「本当の恋人なら……」
私も綿貫さんの瞳を見つめ返した。
これこそが、私が一年間願い待っていた瞬間だ。