1日だけの恋~10月25日夜完結~
「……きみは、僕が考えていたよりも男に馴れてるのかな?」
試されてる。
ここで男性の芽生えてきた探求心を更に満たさないと。
「……さ、さあ……綿貫さんのいいように考えてもらって構いません」
「ふーん、まぁ、マリアが答えなくても後で、嫌でもわかるってものかな」
「えっと?」
後でわかる。それって……
良くわからなくて見上げると、綿貫さんはニッと口角をあげてから腕の力を緩めた。
「マリアには参るな。でも、きっときみが少し天然なのは間違いないね」
「天然ですか?」
それは、頭の回転が遅いってことだろうか。
だとしたら、そんな子は綿貫さんの好みではないかも。
これは、まずい。
「綿貫さんは天然がお嫌いですか?」
「んーん、むしろ好き。魚も人も天然ものは大歓迎」
今度は魚に例えられた?
好かれる会話って難しい。
それに、相手がどう思ってるか、気持ちは見えないからわからないし。
困っていると綿貫さんが
「さてと、お腹すいたんじゃない?この近くにある僕の知り合いのやってる店にでも行こうか?」
と誘ってくれた。
隣へ並び私の手をとる綿貫さん。
「……美味しい天然ものの魚が食べられるよ、どお?マリアは苦手なものとかある?」
「えっと……焼いたり蒸した魚は好きですが生魚はあんまり得意じゃなくて」
「あっ本当に?もしかして食べ物の好みも似てるのかな?僕も生魚は苦手」
「本当ですか?好みが似てて嬉しいです」
笑顔で答える。
綿貫さんの好みは雑誌やネットにて把握している。
生のものは、あまり得意じゃない。寿司も刺身も馬刺しやユッケとかも好きじゃないらしい。
好きなものが似ていると、人は親近感を持つものだ。