1日だけの恋~10月25日夜完結~
「…、私の何を知りたいんですか」
「好きなタイプは、もう知ってるから」
冗談っぼくいって笑う綿貫さん。
「職業とか」
「占い師です」
真顔で言って、ふたたびパスタをフォークに絡めた。緊張していた。
綿貫さんに私の素性は明かせない。
計画を実行するためにも私は棚橋真理亜のままでいるべきなのだ。
「ふーーーーーん。そっか。本当のことは言いたくないんだ」
不満そうな表情をみせて綿貫さんはフォークを皿の上に置いた。
「嘘だと思います?」
手を止めて綿貫さんを見つめると、綿貫さんは
「……じゃあ」
それから、試すような顔つきで私を見た。
「僕の……恋愛運を占ってもらおうかな? 占い師さん」
綿貫さんは口角をきゅっと上げる。
何度も繰り返し見た雑誌の写真の表情だ。
挑戦的、それでいて魅力的な綿貫さんの顔が目の前にある。
緊張から喉がカラカラになってきていた。