1日だけの恋~10月25日夜完結~
綿貫さんのキスが肩に落とされて、ビクッとなる。
ブラの紐をなぞる綿貫さんの指先に緊張してしまう。
再びキスをされて
「んっ」
思わず声が漏れた。
綿貫さんの指がどんどん下へいき、胸の膨らみ近くまできていた。
唇を離した綿貫さんが私の目をじっと見つめてきた。
「まだ…思い出さない?昨日のこと」
思い出したいのに何も思い出せない。
もし、したなら思い出したいのに。
そのために綿貫さんのことを調べて綿貫さんの近くまできたのだ。
こんなんじゃ、綿貫さんに会いに来た意味がない。
何も思い出せない自分に腹が立っていた。
結局、なにもしなかったとしたら?
バカみたいな結末だ。
泣きそうになって震える唇を噛み締めた。
すると、綿貫さんは、少し冷たい目で私をみおろしてベッドから下りていった。
「泣くほど嫌なのに、なんで俺に近づいたんだよ」
ベッドの近くに立ち綿貫さんは、ワイシャツの腕のボタンを留めた。
「綿貫さん……」
ちがう。嫌なんかじゃないのに。
憧れで、とても好きで、本気で抱かれたかったのだ。
私、自分がバカらしくて泣けてきただけなのに。嫌なんかじゃ決してない。
「安心していいよ。何もしてない」
そういって綿貫さんは、私の顔も見ずに寝室から出ていった。
綿貫さん?
これは気のせいじゃない。
綿貫さんの態度だ。
私が泣きそうになってから、すぐに冷たくなった。
綿貫さんの態度が全然ちがう。
私が泣きそうになったから、それが嫌だと誤解された?
私は近くにあったバスローブを羽織り、寝室を出た。