1日だけの恋~10月25日夜完結~



「言えよ。俺に近づいた理由」

怖い。

こんな風になりたくなかった。

泣きたくなってきていた。泣くのを我慢すると、唇が震えだした。

「違うん……です」

誤解されている。

それも危惧していた。

私の祖父が無和化粧品という会社の会長、父は社長だという点だ。

老舗の化粧品会社の社長の娘が、最近急成長し出したブラウン化粧品会社取締役社長に近づいてきたなんて、なにか魂胆があると思われてしまうに決まっていた。

それもあって、素性は絶対にあかしたくなかった。

「何が違うんってんだよ?
昨日、ホテルのラウンジで時間聞いてきたのは?時計してたくせに」

やっぱり、時計してたこと気づかれてたんだ。




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