1日だけの恋~10月25日夜完結~
目をそらさずにじっと見続けられていた。

私の考えていることを見透かそうとでもするみたいに動かずに私の肩を押さえて視線を合わせてくる。

「それは……」

説明するのには時間がかかりそうだ。

どこから話すべきだろう。何から話せば綿貫さんの怒りを沈められるだろう。

わからないまま綿貫さんと向き合っていた。

「元カレにストーキングされてるから恋人のふりをしてくれなんて、ダサいんだよ。計画練ってきたにしては、浅すぎ」

吐き捨てるように言って、

「出てけっ!!顔もみたくない。二度と俺の前にその顔みせんなっ」
私の肩から手を離して綿貫さんは、先にバスルームから出ていった。

壁に背中をつけたまま、ずるずると下に下がり床にお尻をつけた。

ひんやりした床が私の頭を冷やしていく。

泣いてみても始まらない。
何をしに来たか思い出さなきゃ。

昨日してないなら、私の計画はうまくいかなったってこと。

人生をかけた計画だったのに。

もう、おしまいなの?

綿貫さんに嫌われたなら、終わりだ。

嫌いな女を綿貫さんが抱くわけがない。
でも……

ここは、一番冷静にならなきゃいけない所だ。
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