1日だけの恋~10月25日夜完結~
私は、それできっと報われると真剣に考えてしまったことなどを説明した。

それこそが綿貫さんに近づいた本当の理由だと知ってもらうために真剣だった。

馬鹿な女だと思われるかもしれないが、これが私だ。

自分の言葉で身振り手振りを交えて、ありのままのこと、自分の考えを伝えたつもり。



聞き終えた綿貫さんは、下を向いてしまった。

それから、左手の手のひらで自分の額を考え込むように押さえた。

「……はぁーーーー

それが本当の理由だって、俺が信じると?」



「信じてもらえなくても、これが事実で、これが私です」

威張って言えるほどのことをした訳じゃない。それはわかってる。

でも、初めてだから。

異性に憧れて好きになったことも。

目的を持って自分から行動を起こしたこともなかった。

それでも、普通に考えたら、きっと馬鹿だと思われる。

こんなこと考えて。

でも……


これは、あまりにも悲しすぎる結末だ。

なぜ、昨夜、飲みすぎてしまったのだろう。

お酒にのまれていなければ、きっと綿貫さんに抱かれて夢のような一夜をすごせたはず。

そうなれば、それが素敵な思い出として生涯私の心に刻まれただろうに。

大好きで憧れの綿貫さんとこんな風になるなんて想像してなかった。

ソファから立ち、綿貫さんは私の方へ歩いてきた。
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