俺様めちゃモテイケメンが一人にはまったら。
あの日、美月を追いかけるため皆を叩き起こし帰らせた後の話をした。


「あの後、俺がバイトから帰ると向井が家の前で待ってた事があって、夕飯作ってあげるから泊まってくって、私なら心広いから束縛しないみたいな事言ってきて大変だったんだぞ。もう二度と来るなって言ったけど俺もなんか気持ち悪いし、美月もあんな思いした家嫌だろうから引っ越ししたんだ。」


話を聞き終え『まじかー』って驚いていた。

それと同時に『お前、あんなけ横で彼女面されて気づかないってヤバいぞ』って呆れられた。

あれから必要最低限しか向井と言葉も交わさないし、向こうが近寄って来そうになると何気に健吾たちが上手くかわしてくれた。

そんな状態が一ヶ月も経てば『神崎くん、向井さんと別れたの?』と聞かれることが多くなった。


「はっ?別れてないよ?ってか、付き合ってすらないのに別れるも何もないだろ。」

「えっ!付き合ってたんじゃ・・・。じゃあ神崎くん、今フリー?」

「いや、俺高校の時からずっと付き合ってる子いるから。嘘だと思うなら大翔に聞いて。アイツとも高校から一緒だし、アイツの彼女の親友だから、俺の彼女。」


別れたの?と聞かれた後はほぼ百パーセント告白される。

はあ、面倒くさい。俺はそんな事に付き合ってる暇はないんだよ。

この十月二十三日、美月の誕生日の準備に忙しいってのに。
やっと美月と一晩中、朝まで一緒にいる事ができる。
俺も美月も二十三日、二十四日のバイトはオフにしてある。

あー早く来い!美月の誕生日!




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