激おこ転生幼女のモフモフ無双!
 こうしてフレディに聞かされなければ、王妃様の身にそんな不幸な事件が襲いかかっていただなんて想像もできなかった。
「兄は侯爵家という高位貴族出身でありながら、出身国や身分といった生まれに一切の垣根を作らない、平等と寛容の精神を持った人だった。亡命を望むなら受け入れればいい。そうしてユーンデル王国に帰属したのなら、その人はユーンデル王国民以外の何者でもないと、そんな考え方をしていた。兄の骸を前に、俺は誓った。兄の意思と役職を継ぎ、すべからくユーンデル王国民を助けるのだと。そうして志半ばで散った兄に代わり、ユーンデル王国を争いのない豊かな国にすると」
 フレディの切ない告白に、胸の奥、深いところが締め付けられるように苦しかった。
 私は胸元でギュッと両の拳を握り締めると、絞り出すように声にする。
「生きてるよ」
 ひどく掠れた私の声に、フレディが少し驚いたような目を向けた。私は暗がりにすっかりと慣れた目で、その目を真っ直ぐに見つめて続ける。
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