ラグジュアリーシンデレラ
翌週の事だった。

いつも通り、窓のサッシを拭き終わって、給湯室にバケツを持って行くと、そこに井出さんがいた。

「お疲れ様。」

「お疲れ様です。」

さらりと挨拶をして、バケツの水を捨て、新たに水を汲んだ。

「まさか、ここまで無視されるとは、思っていなかったよ。」

「すみません。」

取り敢えず謝って、雑巾を洗い始めた。

「俺、何か悪い事したかな。」

「いいえ。」

「じゃあ、何で連絡くれないの?」


まさか連絡先、捨てたとは言えない。

「久子さんから、貰ったでしょ?俺の連絡先。」

「久子さん?」

私は思わず井出さんの顔を見てしまった。

あっ、やっぱりカッコいい。

「ごめん。仲良くなって下の名前で呼んでいる。」

「別に謝る必要は……」

すると井出さんは、私の顔を覗き込んだ。

「ないかな。ちょっとヤキモチ妬いているように見えるんだけど。」

「それは……」
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