ラグジュアリーシンデレラ
ハッとした。

自分だって、下の名前で呼ばれているじゃない。

ただ一度、食事をしただけの人に。

井出さんは、そんな気さくな人なんだから!

きっと、他の女性も下の名前で呼んでいるような人なんだろうし。

妬いたって、仕方ないんだから。


「結野ちゃん。俺の事、気に入ってくれているよね。」

「えっ。」

「分かるよ。これでも恋愛経験、積んできたんだから。」

そう言われても、まさかぶっちゃけ”カッコいいと思っています。”なんて言えない。

いや、むしろ逆に、軽くあしらった方がいいのか!


「わ、分かります?井出さん、カッコいいから。」

すると井出さんは、私に顔を近づけた。

「今のはムカついた。からかったでしょ、俺の事。」

「からかってません!」

「じゃあ、本当に俺の事、カッコいいと思ってくれてる?」

まずい。

井出さん、本気だ。
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