密かに出産したら、俺様社長がとろ甘パパになりました~ママも子どもも離さない~
「ダ……ダメだ、そんなの。許さん」
「間山?」
「そんな男のところに行くのなら、俺だって陰から見守っているだけではいられない」
ぶつぶつとひとりごちていた彼が、ふいに目線を上げて私を見る。今まで見たことのない、鬼気迫る表情だ。
間山のこんな怖い顔、初めて見た。でも、いったいなにに怒っているの?
ただ目を見開いて彼を見つめていると、間山は大きく息を吸ってから口を開く。
「雛。俺も、お前に結婚を申し込む」
えっ? 間山、いったい何言って――。
「さすがのお前でも、ここまで言われたら気づくだろう。俺が長年この胸に降り積もらせてきた、この切なる想い」
照れくさそうに苦笑しながら、間山がきらきらとした眼差しを向けてくる。
切なる思いって、なんだか大げさだけど……。私と煌人を、友達として本気で心配してくれている気持ちのことだよね?
昔から人一倍私たち親子のことを気に掛けていた間山からすれば、突然目の前に現れた玲士のことを簡単に信用できなくて当然。
そんな相手のもとへ行くなら、気心の知れた友達の自分と結婚した方がまだましだろう――という〝たとえ話〟を提示して、私にもっとよく考えろと言ってくれているのだ、きっと。