密かに出産したら、俺様社長がとろ甘パパになりました~ママも子どもも離さない~

「おかえり~。煌人、楽しかった?」
「うん。そ、そんなに怖くなかったよ」
「そっか。さすがは三歳のお兄さんだね」

 ジェットコースターを乗り終えると、煌人には煌人なりのプライドがあるのか、雛子に対してクールにそう言っていた。

 嘘をつくなと指摘するのもかわいそうなので、俺はひとりで笑いをかみ殺していた。

 その後いくつか乗り物を楽しみ、昼食は煌人のリクエストでホットドッグとポテトを売店で買った。

 煌人が屋外のベンチで食べたいと言うので寒さが心配だったが、子どもは風の子というのは本当らしい。煌人はまったく寒さを感じていない様子でホットドッグにかぶりつき、大人たちはコーヒーで暖を取った。

 午後は、俺の中で今日のメインイベントだと思っているシュワレンジャーショーがある。それを煌人に見せたいがためにこの遊園地を選んだのだ。いい席を確保しなくては。

 煌人を抱っこして早足気味に会場へ向かう途中、腕の中の煌人が突然「パパちょっと止まって」と言った。

< 125 / 175 >

この作品をシェア

pagetop