密かに出産したら、俺様社長がとろ甘パパになりました~ママも子どもも離さない~
「どうした?」
「あの子、泣いてる」
煌人が指さした先には、ちょうど煌人と同じくらいの年の女の子が、「ママー!」と叫びながら泣いていた。
彼女の周囲に親らしい大人は見当たらず、どうやら迷子のようだ。
「私、ちょっと話を聞いて、スタッフの人に預けてくる。ふたりは先に行ってて」
「ああ、頼む」
雛子にその場を任せ、俺と煌人はショーの会場へ急いだ。
無事に最前列の席を確保でき、遅れてきた雛子も開始五分前には間に合った。
「あの子、大丈夫だったか?」
なにげなくそう尋ねてみたら、雛子は少し考え込んだ。
「……たぶん。でも、少し様子がおかしくて」
「おかしいって、どんなふうに?」
「うん。その子――」
「ママ! 始まるよ!」
雛子が話しだそうとした瞬間、スピーカーから大音量でBGMが流れ始めたので、俺たちは話を中断してショーに集中することにした。
まず悪役が登場し、『会場の子どもたちを攫ってやる』などと言って不気味に笑って子どもたちの恐怖を誘う。
そして悪役の子分たちが客席に下りてくると、本気で泣き出す子どもたちもいる中、シュワレンジャー四人が颯爽と登場した。