密かに出産したら、俺様社長がとろ甘パパになりました~ママも子どもも離さない~

「気に入ってくれたか?」
「うん。今日は絶対につけていこうって決めていたの」

 そう言ってはにかむ雛子を見ているだけで、胸がときめいた。煌人が一緒じゃなかったら、屋外にもかかわらず口づけていたかもしれない。

「モチーフのホースシューには〝幸運を呼び込んで逃がさない〟という意味があるんだが、その〝逃がさない〟という部分を気に入ってな」

 本来の意味とは違うが、俺の独占欲を暗に示すのにちょうどいいと思い、選んだのだ。

「そっか、これ馬の蹄鉄の形なんだ。にしても、別に逃げないよ? 私」

 雛子が上目遣いで俺を見つめる。暗い中でも、その頬がほんのり赤く染まっているのがわかる。

「やっと俺のものになる決心がついたか」
「……そうじゃなきゃ、三人で会おうなんて言わないよ」
「そうか。よかった」

 俺は思わず安堵の息をついた。彼女の前ではいつも余裕の態度を心がけているが、本当はいつも必死だったのだ。

 じわじわと喜びが胸に沁み込むのを感じていると、雛子が不意に俺のコートを掴んでくいっと引っ張り、甘えた目をして言う。

「腕、つかまってもいい?」
「……もちろん。ほら」

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