密かに出産したら、俺様社長がとろ甘パパになりました~ママも子どもも離さない~
「ま、このマンションは壁も床も防音機能がきちんとしているし、煌人の体重くらいなら走り回っても大丈夫だと思うが」
「そういう問題じゃないの。煌人、そもそも家は大声を出したり走り回る場所じゃないでしょ? そういうのは公園でね」
「はーい、ママ」
煌人は素直に返事をして、雛子が開けている段ボールから荷物を出すのを手伝い始める。
俺はなんだか自分が叱られたような気がして、気まずく思いながら自分の作業に集中する。
雛子は、俺が思うよりずっと立派な母親だな……。父親歴の浅すぎる俺ではとうてい敵わない。
会社では偉そうにしていても、子育てはわからないことばかりだ。しかし、だからこそ雛子に負けないよう、いい父親になる努力をしなければ。
俺は改めて、親になるということの責任の重さを感じながら、三人での新生活の準備を着々と進めていった。