密かに出産したら、俺様社長がとろ甘パパになりました~ママも子どもも離さない~
「警戒されるのを避けるために、俺たちが一緒にいると言わない方がいいだろう。ひとりで訪れたふりをして、エントランスのロックを解除してもらったら三人で中に入る」
「はい……わかりました」
玲士の指示に頷いた聖子さんが、ひとりでマンションのエントランスに入る。
彼女がそこに設置されたインターホンで部屋番号のボタンを押すと、声こそ聞こえないものの、インターホン越しに誰かと話している様子が見えた。
「部屋にいるってことは、煌人と真菜ちゃんもやっぱりここに……」
居場所がわかってホッとする反面、なにかされていないかという不安は拭えず、思わず体が震える。玲士は私の肩に両手を置いてそっとさすり、安心させるような声音で言う。
「しっかりしろ、雛子。まだ連れていかれてからそう時間は経っていない。子どもたちはきっと無事でいる」
「うん……」
その言葉にすがってなんとか心を保っていると、聖子さんがこちらを向いて私たちを手招きする。
急いでエントランスに入った私たちはロックの解除された自動ドアから三人で中に入り、エレベーターで目的の部屋がある五階を目指した。