密かに出産したら、俺様社長がとろ甘パパになりました~ママも子どもも離さない~
部屋の前に着き、聖子さんがドア脇のインターホンを押す。私と玲士はそばの壁に隠れ、聖子さんに加勢するタイミングを窺いながら息をひそめた。
間もなくガチャっとドアが開き、眼鏡をかけた中背中肉の男性が出てきた。
あれが、聖子さんの元旦那さん……。
想像していたような凶悪な印象はなく、ごく普通のお父さんに見えるけれど。
「子どもたちは……!?」
「騒がなくても中にいるよ」
男性が煩わしそうにそう答えた瞬間、私と玲士は顔を見合わせ頷き合い、聖子さんのもとへ駆け寄った。
「……おい、ひとりで来たんじゃなかったのかよ」
突然現れた私と玲士に動揺した男性は、咄嗟にドアを閉めようとしたが、玲士がガッとドアを掴んで阻止し、鋭い視線で男性を睨みつける。
「失礼。息子を返していただきます」
そう言って無理やり男性の体を押し、ずかずかと部屋の中に上がり込む。私も玲士の後に続いて室内に入っていった。