密かに出産したら、俺様社長がとろ甘パパになりました~ママも子どもも離さない~
「ちょ……っ、おい! 勝手に人んちに――」
男性が後ろで文句を言うのが聞こえたが、勝手なのはどっちだろうと思う。人の息子を連れ去っておいて……。
悶々としながら奥へ進むと、先を歩いていた玲士が突き当りのドアを開ける。
「あっ、パパ! それにママも」
「煌人……!」
リビングでらしきその部屋では、煌人と真菜ちゃんがたくさんのおもちゃやお菓子に囲まれていた。
どうやら無事に見えるが、私はすぐに駆け寄って我が子のそばにしゃがむ。
「大丈夫? どこも痛くない?」
「うん、平気」
煌人は意外にもケロッとしていて、心から安堵した私はその体をギュッと抱きしめた。
「真菜……!」
遅れて部屋に入ってきた聖子さんも、私と同じように真菜ちゃんに駆け寄り、無事を確認して抱き着いた。
「……フン。少しは俺の気持ちがわかったか」
不意に、部屋の入り口で男性の冷めた声がした。怪訝そうに振り向いた聖子さんに向かって、男性は憎々しげな表情で語りだす。