密かに出産したら、俺様社長がとろ甘パパになりました~ママも子どもも離さない~
「俺だって真菜の父親だ。たまには会って父親らしいことがしたいのに、遊園地の一件以来、お前は俺に真菜を会わせようとしない。だから、仕返しにこっちから奪ってやったのさ。突然子どもに会えなくなるのはつらかっただろう」
「あなた、そんなくだらない理由で真菜を……? それに、関係のない煌人くんまで」
思わず立ち上がった聖子さんが、怒りを滲ませながら男性に詰め寄る。男性も挑発的な態度で応戦し、ふたりは睨み合ったまま言い合う。
「くだらないとはなんだ。お前のしつけがなってないせいで、真菜はここへ連れてきても俺に懐きやしない。おもちゃやお菓子を与えても、無表情だ。どうせ別れた後で、真菜が俺を嫌いになるように色々吹き込んだんだろう」
「なんですって……!? あなたはいつもそう。子どもの好きなものだけ与えておけばいいと思ってるの。でも、子育てってそんな単純なものじゃない!」
ふたりが感情的になっていくにつれ、リビングの床に座る真菜ちゃんの顔が、徐々に暗く翳って俯いていく。
これ以上、両親がケンカする姿を彼女に見せてはいけない。そう思って、私が声をあげようとした瞬間だった。